ハーブティーの基本
植物の葉・茎・花・実・根などから味・香りを抽出した飲み物を総称してハーブティーといいます。その中で1種類のハーブだけを使ったハーブティーを『シングルティー』、複数のハーブをブレンドしたものを『ブレンドティー』と呼びます。『フレーバーティー』は紅茶や緑茶にフレーバー(香り)を付けたブレンドティーで、ハーブティーと混同されやすいのですが、ツバキ科のチャノキの葉が原料のためハーブティーには含まれません。紅茶や緑茶とハーブをブレンドした場合は、ブレンドティーと呼ばれます。
- 多くのハーブティーはカフェインレスです(カフェインを含むハーブもあります)。
- ハーブから溶け出す水溶性成分にはフラボノイドやビタミンなど様々な栄養素が含まれています(ハーブティーとして飲むことでそれらの栄養素が消化管から体内に吸収されます)。
- ハーブティーの香りには発揮性のハーブ成分が含まれています(鼻から吸収された化学分子が脳に到達して、穏やかなアロマテラピー効果をもたらします)。
必要な道具
より本格的にハーブティーを堪能したい方、ゆったりとした特別なティータイムを楽しみたい方へのご提案です。下記の道具を使わなくても、ティーバッグ入りのハーブティーであれば普段お使いのティーカップ(マグカップ)、茶葉であればストレーナー(茶漉し)とティーカップ(マグカップ)だけでも充分お楽しみいただけます。ご自身がお持ちの道具を使ってティーをお楽しみください。
- ティーポット
陶器製やガラス製などがあります。ハーブティーは見たや色の美しさを楽しむためにガラス製のティーポットのご使用がおすすめです。
- ティーカップ
陶器製やガラス製などがあります。ティーポットと揃いでお持ちの方は、揃いでお使いいただくとより優雅な時間をお過ごしいただけます。紅茶は内側の白い陶磁器が良いとされています。
- ストレーナー(茶漉し)
花草果茶ではオリジナルのストレーナーをご用意しております。ティーポットがなくても、ストレーナーに茶葉を入れ、マグカップでお気軽にハーブティーをお楽しめいただけます。
- ティースプーン
1スクープで2g、5gなど分量がわかる便利なスプーンや、エレガントな装飾が施されたスプーンがあります。
- 砂時計
スマホタイマーやキッチンタイマーではなく、古きヨーロッパのティータイムのように、砂時計を使用して優雅な時の流れを楽しんでみませんか?
- ティーポットウォーマー
ティーが冷めないように火や電気でポットを温める下敷き。おすすめはキャンドルタイプ。揺れる灯りを感じながら、ゆったりしたティータイムをお過ごしいただけます。
- ティーコジー
ティーが冷めないようにをティーポットを保温する布素材のカバー。ティーポットカバーとも呼ばれます。花草果茶オリジナルのティーコジーもあります。コージーはティータイムを素敵に演出してくれるテーブルコーディネートアイテムにもなります。※コージーは日常使いのアイテムと考えられているため、正装が必要なティーパーティーでは使いません。
ゴールデンルール
美味しい紅茶を淹れるための条件(ゴールデンルールと呼ばれています)をご存知ですか?
『茶葉の風味や香り』を最大限に引き出すための基本的なルールに、ゴールデンルールというものがあります。勿論こうしなければいけないということではありませんが、ゴールデンルールに基づいて淹れたティーはやはり美味しさが違います。紅茶の本場イギリスと違い、日本の水は軟水だからこのルールは当てはまらないと言われることもありますが(地域によって日本でも水道水が硬水の場合があります)、紅茶は硬水よりも軟水の方が美味しいと言われています。硬水は渋味をマイルドにし、軟水は香りや深みなどの風味を引き出します。クセが少なく飲みやすいお茶を飲みたい時は硬水、クセを含め深い風味を味わいたい時は軟水、とその日の気分で使い分けるのも良いかもしれません。このゴールデンルールは紅茶だけでなく、ハーブティーにもほぼあてはまります。とてもシンプルな淹れ方なので、お時間の許す時や特別な日に是非ゴールデンルールを意識して極上なティーをお楽しみください。
【事前に用意しておくもの】
- お湯を沸かすやかん又は電気ケトル
- 量り(1g単位で量れるもの)
- 茶葉
- 上段記載の必要な道具(1-7)
【ゴールデンルールに沿った基本の淹れ方】
- 沸騰させたお湯を使う
- ティーポットを温める
- 良質の茶葉を使い、茶葉の分量をきっちり量る
- 充分に蒸らす
- 汲みたての水を使う
汲みたての新鮮な水道水がベストです。 - 水をしっかり沸騰させる
お湯は沸騰直後(95-98℃)が良く、ぬるかったり沸騰しすぎたお湯ではティーの香気成分がよく出ません。沸騰の火加減は、少し大きめの泡(1円玉位)がボコボコしている状態がベストです。 - ポットを温める
陶磁器、銀製、ガラス製、急須を使います(鉄を含んだポットは、鉄分が茶葉のタンニンと化合してしまい、変色して香味が損なわれてしまいます)。丸みのある陶磁器のポットが一番良いとされています。 - 良質な茶葉をきちんと量る
ティースプーン1杯(約2g)を1人分として、人数分の茶葉を入れます。大きめの茶葉は大盛気味に。お湯の量180mlに対して茶葉を2g使います。 - 茶葉を入れたポットに熱湯を注ぎます
ジャンピングを起こすように注ぎましょう。
ジャンピングとは、ある条件が整った際、ティーポット内で起こる茶葉の上下運動のことです。酸素に絡んだ茶葉が上下運動(ジャンピング)を起こすことで、紅茶本来の香りや旨味をたっぷり引き出してくれます。ジャンピングが起こることによって、茶葉の小さな一片一片がお湯に混ざり合い、味も色も香りも文句なしの美味しいティーが抽出されます。ジャンピングを起こすための一番のポイントは、酸素がたっぷり入った汲み立ての水を沸騰させた熱湯を使うことです。汲み置きされた水は酸素が抜けてしまっているのでジャンピングを起こしません。ミネラルウォーターは汲み置きの水と同じ原理なので、水道水の使用がおすすめです。又、二度沸かしや沸かしすぎた熱湯や電気ポットのお湯もジャンピングに適していません。
※勢いよく注いで茶葉が上下することをジャンピングとは言いません。勢いよく注ぐだけではジャンピングが起きず、しかしゆっくり注いでもお湯の温度を下げてしまうので、適度のスピードで注ぐことが大切です。 - (最大限にジャンピングを起こしたい場合)球状でふくらみのあるポットを使う
丸いふくらみのある球状のポットは、構造的に熱対流を起こしやすくて熱が逃げにくいため、茶葉のジャンピングをより促します。時間が経つとお湯の中の酸素が減り、茶葉がお湯を完全に吸って重くなることでジャンピングが終わりますが、球状のポットでは3分以上ジャンピングが持続することもよくあります。 - 充分に蒸らす
蒸らす間、できるだけ温度を下げないことが大切です。蒸らす時間の目安は3分。細かい茶葉で2分半〜3分弱、大きい茶葉で3分半〜4分弱と微調整してください。蒸らしている間、ポットにティーコジーやティーマットを使うと保温効果が上がります。ポットが保温されて、茶葉のジャンピングもより起こしやすくしてくれます。又、多めに淹れたティーがポットに残されている場合、ティーコジーやティーマットを使用するとティーをしばらく温かく保てますので、お代わりのティーも美味しく戴きたいときは是非ティーポットにコジーを被せてください。 - カップに注ぐ
ストレーナー(茶漉し)で茶葉を濾しながら、濃さが均一になるようにまわしながら注ぎしましょう。是非【ベスト・ドロップ(ゴールデン・ドロップ)】と呼ばれる最後の一滴まで注いでください。この最後の一滴には後味をスッキリさせる効果もあり、意識して最後の一滴を落とすだけで、香りや味わいに違いがでます。
以上、一手間かかりますが、この一手間で専門店でいただくような美味しいティーがご家庭でも楽しめますので、お時間の許すときにどうぞお試しください。
温かいハーブティー(花・実・葉・皮・茎・根)
- ティーポットやティーカップ、マグカップをあらかじめ温めておく
- 人数分のハーブを入れる
基本量はティーカップ一杯(150-200cc)に対して、およそ大さじ1杯。ハーブの種類によって適量が異なりますのでご調整ください。 - 沸騰したお湯を1分ほど置いてから静かに注ぐ
95度くらいのお湯がベストです。 - お湯を入れた後、すぐ蓋をする
蓋がない場合、逆さまにした小皿などの代用で構いません。 - 3-5分蒸らす
蒸らし時間は【花・葉・皮は3分ほど】【実・茎・根は5分ほど】が飲み頃です。お好みによって時間をご調節ください。どちらの場合も、ハーブを入れたままにしておくと、徐々に苦味やエグ味などが出てきてしまいますので、一旦ハーブを取り出してください。おかわりする場合は、再度1から繰り返してください。またその場合、蒸らし時間は少し長めに置かれてください。ティーポットでおかわり分もご用意しているときは、ティーコジーなどを使い、冷めないよう工夫すると最後まで美味しく召し上がれます。
ハーブティーは水出しできるものもありますが、基本は紅茶のように熱湯で淹れます。ハーブの香りは発揮性で水に溶けにくい性質をしています。そのためハーブティーを淹れる時は、特にハーブ特有の効果を望む場合、立ち上がる湯気(香り)を逃さないように蓋をして蒸らすことが大切です。
より香りを楽しむポイントとして、使用する直前にハーブを千切ったり揉んだりすると香りが際立ちます。ティーバッグの場合は強く揉むと破れてしまう恐れがあるので、指先で軽く揉みほぐしてから使うと香りが立ちます。
冷たいハーブティー(お湯出し・水出しオーバーナイト)
冷たいハーブティーには2つの淹れ方があります。1つは熱湯を氷で冷やす方法で、手間はかかりますが、ハーブティーの有効成分をより出すことができます。もう1つは水出しで作るハーブティーです。水出しハーブティーは、冷蔵庫でゆっくり作るオーバーナイトティーの作り方をご紹介いたします。
(お湯出し)冷たいハーブティー
手間はかかりますが、ハーブの有効成分を抽出したい場合、風味を楽しみたい場合はこの方法がオススメです。溶け出す氷の水分量を計算して濃い目に作るのがポイントです。
水を入れる前にお湯を100ml注ぎ、軽くかき混ぜた後に水を足すとより香りが出ます。
ハーブや果物のビタミンカラーが見える透明な容器がオススメです。
基本的な作り方をベースに、お好みのアレンジでお楽しみください。
1.保存方法・期間
用意するもの
- ティーポット
- 熱湯
- 氷
- グラス
- お好みのハーブ
- (お好みで)カットフルーツ
作り方
- 温かいハーブティーで飲むよりも多めのハーブを用意する
ティーカップ1杯分(およそ200ml)に対し、ハーブ大さじ1強(通常の約2倍量)を目安にしてください。 - 熱湯(予定の濃さの2/3ほど)を静かに注ぐ
この際、ハーブの香りが逃げないように素早く蓋をします。 - 蓋をして3〜5分蒸らす
蒸らす時間は温かいハーブティー同様、【花・葉・皮は3分ほど】【実・茎・根は5分ほど】 - グラスに氷を入れ、ティーをグラスに注ぐ
お好みでシトラス系のカットフルーツを浮かべても。
(水出し)冷たいハーブティー・オーバーナイトティー
ハーブを水に入れ、時間をかけてゆっくり抽出する方法です。ハーブの渋みが出にくく、癖が少なくまろやかな飲み心地を楽しみたい方にオススメです。
用意するもの
- ボトルかピッチャー
- 常温の水
- お好みのハーブ
- (お好みで)ドライフルーツ
作り方
- 容器にハーブを入れる
ハーブは多めに入れてください(およそ通常の倍量)。 - 常温の水を注ぐ
冷たい水でも構いませんが、その場合、抽出に更に時間がかかります。 - ドライフルーツを入れる場合、このタイミングで投入
- 冷蔵庫に入れて時間をかけて抽出
3時間〜6時間程度で飲み頃になりますが、長めに置いた方がしっかりと抽出できます(ハーブの種類によります) - グラスに注ぐ
ハイビスカスやマローブルーなど、花や葉のハーブは抽出時間が短めです。熱湯と違い、成分が緩やかに抽出されるため、長い時間ハーブを入れたままにしていても苦味やエグ味が出にくいですが、水とはいえ長く時間を置くと酸味やエグ味が強くなるハーブがありますので、ハーブの種類によって時間調整をしてください。オススメはマロウブルーやエルダーフラワーなど。お花のハーブは3時間ほどで飲み頃になります。オーバーナイトティーは、就寝前にハーブを入れた上記3の状態で冷蔵庫に入れ、翌日お飲みください。オレンジ、レモン、リンゴなどのドライフルーツを入れると、爽やかな風味をお楽しみいただけます。
ハーブウォーター(デトックスウィーター)※蒸留水のハーブウォーターではありません
見た目も可愛らしいデトックスウォーターは、ハーブや果物をミネラルウォーターに入れるだけで手軽に作れます。
ベースとなる基本的な作り方
材料
・水 500-1000ml(1日で飲み切れる量)
・お好みのフレッシュハーブ・果物・野菜 適量
作り方
- お好みのフレッシュハーブや果物を用意する
果物はよく洗い、容器に合ったサイズにカットしてください。 - ポットやピッチャーに上記のハーブや果物を入れ水を注ぐ
- 冷蔵庫で数時間置く
- グラスに注ぐ
氷とともに注げば見た目も美しく涼しげです。
水を入れる前にお湯を100ml注ぎ、軽くかき混ぜた後に水を足すとより香りが出ます。
ハーブや果物のビタミンカラーが見える透明な容器がオススメです。
基本的な作り方をベースに、お好みのアレンジでお楽しみください。
デトックスウォーターの注意点
1.保存方法・期間
デトックスウォーターは加熱処理をしないので傷みやすく、必ず冷蔵庫で保存しましょう。常温で放置すると雑菌が増えたり、腐ってしまうことがあるので、1日で飲み切るようにしてください。
2.食材
果物や野菜の表面に農薬が残っている可能性があります。フルーツや野菜を皮ごと使う場合、よく洗ってから使用してください。心配な方は皮を剥くか、国産無農薬のものをご使用ください。
オススメレシピ 『ベリーのデトックスハーブウォーター』
用意するもの
- ピッチャーやポットなど容器
- 水
- ベリー類などフルーツ(お好きなフルーツ)
- ミントの葉 (お好きなハーブ)
- 透明なグラス
作り方
すべての材料を容器に入れ、冷蔵庫で数時間置きます。目安は水1Lに対して、フルーツのかさが1/5ほど。フルーツや野菜を2種類、ハーブが1種類の3種類MIXが美味しいバランスと言われています。例えば、【苺・ブルーベリー・ミント】【セロリ・レモン・ローズマリー】など。
ハーブティーの保管方法
購入したハーブはジップ付き保存袋や密閉容器に入れ、空気に触れないようにして保管してください。
オススメの保管容器
・ジップ付き保存袋
・蓋のついた密封容器など オススメの保管方法
・劣化を避けるため、なるだけ空気に触れないようにしてください。
・賞味期限を書いて貼っておくと便利です。 ・冷暗所や冷蔵庫での保管をオススメします。 ※防虫剤等を使用していないピュアハーブは、稀にポプリ虫が発生する恐れがあるため、保管は冷暗所や冷蔵庫をオススメします。 |